風の三郎　小山ゆう

ドラクエ魔球マンガ「風の三郎」（後編）

「日本のどこかに、お前と同じように幼い頃から鍛えられ育った男達が・・・あと8人いる！！」

どこかって・・ヒントぐらいくれよ！

これは別に山口百恵の「いい日旅立ち」の歌詞ではありません。究極の理不尽野球マンガ「風の三郎」レビュー後半のお時間です。前半はこちら。

幼い頃から最強のピッチャーとなるべくお爺さんに育てられた三郎は、いつの間にか草は燃え空気は焦げ、キャッチャーを殺しかねない剛速球を身につけていた。そして、最強のナインを結成すべく日本のどこかで同じように鍛えられたあと8人のメンバーを探す旅に出なければならない・・・

高橋慶彦のお墨付きです

そんなところまで前編でご紹介しました。そして三郎の前に現れる一人の美女・・・彼女こそ最強のナインのオーナーとなる事を宿命づけられた女、大企業若狭産業の令嬢若狭潮。彼女がメンバー探しのパートナーとなります。

謎の美女、若狭潮

若狭産業の創始者、若狭彰重曰く、
「わしが仕事一途に会社をここまでにしたのも、全てこの目的のためだ」

社員はいい迷惑です

「若狭産業を含むワシの全財産を全てお前（潮）に譲る！！」

こらこら、そんな身勝手な・・

若狭のお爺ちゃんてばなんて太っ腹！（きっと社員は大迷惑）。究極の道楽っぷりですね。男のロマンとは壮大であればあるほど良い。ストーリーはがぜん盛り上がってきました！（妙な方向へ）

最強のナイン探しの為の資金を手に入れた三郎と潮の旅がいよいよ始まります。

いくら三郎が炎の剛速球を持っているとはいえ、キャッチャーがいなければ意味がありません。しかし、三郎の剛球を取るためだけに鍛えられてきた男がいたのです。その男は太郎丸。
相撲取りです（なんでやねん）。

しかし、太郎丸は今や相撲部屋で横綱を期待される男、いくら宿命とは言え今さらキャッチャーをやれと言われても簡単には引き受けられません。そこで三郎と太郎丸の対決が始まります。

さすが最強の男達。二人のウォーミングアップからして物凄い。

見えません・・・

資源は大切に・・・

ええと、なにも木を倒さなくても・・・

そしてついに対決！

スクールウォーズ？

勝負あり！（なんかよく分かんないけど）

太郎丸は日本で唯一、三郎の炎の剛球をキャッチできる男。しかし、太郎丸と言えどキャッチするたびに気絶してしまうというすさまじさ。そして三郎の力を認めた太郎丸。晴れて、男二人に女一人の三人の旅路へ。なんだかドラクエ2みたいになってまいりました。

しかし、これ以外のメンバーもクセのあるやつばかり。

山の中ですっかり野生化している男とか・・

絶対風呂入ってない

船乗りとか・・

覇気のない中村雅俊？

極道とか・・

こいつ・・・何歳だよ？

バーテンダーとか・・

え、未成年じゃないの？

僧侶とか・・・

絶対野球やってなさそう

さすが最強のナインになることを宿命づけられたメンバー達です。誰一人としてまともな育ち方をしていません。個人的には彼等と絶対に野球はしたくないです。

しかし、心配は無用！彼らの能力はやはり最強にふさわしいものでした。

船乗りはバットスイングで炎を出します。

Mr.マリックより凄いよ！マジで

バーテンダーは守備はライトですが、炎の変化球を投げれる頼れるリリーフです。

ピッチャー、コイツだけでいいじゃん。
・・なんだか三郎の球より凄そうなのですが気のせいだと思いたい。

そして、「最強の男達を探す旅」はついにフィナーレを迎えます。9人目のメンバーの女の子を加え、最強のナインが揃いました！ってなんで女の子？もしかして萌え要素とか意識してるんでしょうか？とまあ商業誌特有の大人の事情を臭わせつつ、ついに最強のナインが始動します。

ある意味最強です

そして、三郎達最強のナインと対決すべく待ちかまえていたのは、なんとUSA最強のナイン！
実は、アメリカにも幼い頃から最強のナインを結成すべく鍛えられてきた9人の男達が（以下略）

同じ境遇の男達がアメリカにも！

・・・そんなわけで物語はクライマックスを迎え、日米最強ナイン対決が始まりました。

三郎の投球！

バットが真っ二つ！

対するUSAのピッチャーも・・・

鼻歌交じりで182キロ

なんと時速182キロ！（ありえねえ・・・）

そんな挨拶代わりの軽いジャブの応酬も終わり、野球のルールを超えた壮絶なデス・マッチと化していくのです。（大方の予想通り）

なんとUSAチームは三郎の炎の剛球対策でこんな打ち方をしてきました。

はじめっから野球じゃありません

いや、打ってるというか突いてるというか・・・

しかし、三郎には新兵器「光る魔球」があるのです。無理に打とうとすると・・・

バットが木っ端微塵

このように大変なことに！

そこでバットが折れないように金属バットで対抗すると・・・

そこまでしてやらなくても・・・

やはり大変なことに！

以降、しばらく野球のルールを忘れたひとときをお楽しみ下さい。

182キロなんですけど・・

NFLっぽい

そして結末は、あっけなく訪れました。三郎の球を打とうとして全員手を負傷してしまったUSAチームが守備不能になり、萌えキャラの女の子のゴロでランニングホームラン。日本チーム勝利です！

最後は切なげ

男達の悲願が今達成されたのです！（どんな悲願だ）

ドラクエ野球マンガ「風の三郎」いかがだったでしょうか？今思えば、メンバー集めがストーリーの大半を占めるマンガでした。

野球とはなんぞや？最強とはなんぞや？という命題に対する一つの答えがこのマンガだったのではないでしょうか？日本のプロ野球を変革するのは「代理人」ではなく「魔球」である。J君の唱える「魔球至上主義」が近い将来認められる日を夢見ながらペンを置きたいと思います。

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